コーチングの意味とは?資格や種類・学ぶ方法、仕事への活かし方について解説します

あなたは、ネットや本屋のビジネスカテゴリーで「コーチング」という言葉をよく見かけないでしょうか?

「スポーツのコーチと同じ意味かな?そんなのが仕事でどう活かせるんだ?」と思う人も多いかもしれません。

コーチングは単なるコミュニケーションスキルではなく、個人はもちろん組織の成長にも役立てることができる「関わり方」に関する技法です。

ここでは、コーチングについて以下の事を学ぶことができます。

コーチングっていったい何?

コーチングの資格ってどんなものがあるの?

コーチングはどう学べばいいの?

コーチングはどう生かしていけばいいのか?

コーチングについて知る事で、自己実現や他者の成長支援を行う方法を掴むきっかけになれば幸いです。

コーチングの意味とは?

コーチングは、「パフォーマンスを向上させるために対象者を勇気づけ、質問によって気付きを引き出し、本人の自発的行動を促進させるコミュニケーション技術」と定義されています。

ビジネスの世界では人材開発を促すための手法として知られており、個人のスキル向上はもちろん、リーダー育成や組織という「集団」のレベルアップにも活用されています。

コーチングは、スポーツにおけるコーチのイメージが強いかもしれません。ただ、指導やアドバイスをすることがコーチングではありません。

コーチングを行う「コーチ」は、コーチングを受ける「クライエント」が自発的に行動できるように的確な支援を行う必要があるのです。

そのため、「聴く」「質問する」という大きく2つのスキルの向上が必要とされています。

コーチングとメンタリングの違い

コーチングに似たものに「メンタリング」というものがあります。メンタリングは、「メンター」という経験豊富な人に、「メンティー(プロテジェ)」という一段未熟な学習者が学ぶという関係性です。

また、メンタリングは長期的な目線でメンティーを専門的に成長させるという特徴があります。

コーチングの場合、コーチはアドバイスなどは行わず、相手が自ら行動できるように支援する立場を取ります。行動のための目標を立ててもらい、実行してもらうために関わる事を目的としているのです。

コーチングで必要な2つのスキル

「聴く」スキル

聴くにはいろいろな意味があります。

  • 聞く:意識しなくても音や声が耳に入ってくる
  • 訊く:相手に尋ねる・問うこと
  • 聴く:心を空っぽにして、注意深く耳にとめる

そして、コーチングにおいて重要なのは「傾聴」することです。

そもそも「傾聴」はカウンセリングの世界で重要とされている姿勢です。「来談者中心療法」で有名なロジャーズは、カウンセリングに必要な基本態度として「受容」「共感」「自己一致」というものを挙げています。

  • 受容:カウンセラーは、クライエントに対して無条件の肯定的関心を持つこと
  • 共感:カウンセラーは、クライエントの内的世界を共感的に理解し、それを相手に伝えること
  • 自己一致:カウンセラーは、クライエントとの関係において、心理的に安定しており、ありのままの自分を受容していること

これらを前提として、クライエントに対して積極的傾聴を行う必要があります。

「質問する」スキル

コーチングは、クライエントの自発的行動を促す必要があります。それは「指示」とは違います。したがって、「質問」によってクライエントが内省を深める関わり方をしなければいけません。

コーチングを行っている時の質問の方向が間違っていれば、クライエント自ら答えを出すどころか、見当違いの方向へ誘導してしまうことになりかねません。

質問には様々な手法がありますが、まず意識すべきなのは「クローズド・クエスチョン」と「オープン・クエスチョン」です。

  • クローズド・クエスチョン:返答の自由度が低い質問。「どちらが好きですか?」など
  • オープン・クエスチョン:返答の自由度が高い質問。「どんな気持ちでしたか?」など

クライエントとの関係性が深まっておらず内省も進んでいない時には、適度にクローズド・クエスチョンを使うということも大事です。

これら以外にもコーチングには必要なスキルがありますが、まずはこの2つのスキルを磨きましょう。

コーチングに関する資格にはどんなものがある?

コーチングの種類は多種多様で、分類の仕方はそれぞれの団体によっても異なり、該当するコーチング資格も違いがあります。

ここでは、代表的なものとして以下の6つのカテゴリーのコーチング資格について紹介していきます。

  • ライフコーチング
  • ビジネスコーチング
  • エグゼクティブコーチング
  • キャリアコーチング
  • リーダーシップコーチング
  • コミュニケーションスキルコーチング

ライフコーチングに関わる資格

ライフコーチングは、その名の通り「生き方」に関するコーチングで、今よりもより充実した人生を創り出すことに焦点を当てています。

その人にとっての人生における「価値」「目的」「目標」「夢」といったものを特定し、目標達成に向けて適切な行動を起こすことができるように支援します。

対象者も仕事をする人だけではなく、あらゆる一般の人を対象とします。

日本では「ライフコーチワールド」などが養成・資格取得プログラムを運営しています。

ビジネスコーチングに関わる資格

ビジネスコーチングは、企業家やビジネスオーナーを対象としたビジネスの成長と成功の支援の他、組織目標と社員個人の価値観を近づけるための支援を行うものもあります。

  • 組織の目標達成に必要な能力の醸成
  • 組織における個人の目標達成・自己実現
  • 個人が主体的に組織に貢献するための支援
  • 自分だけでなく相手の個性も理解するスキルの向上

こういった支援以外にも、企業内で活躍するビジネスコーチを育成するという目的で活動する場合もあります。

日本でも比較的増加しているコーチング資格ですが、「産業能率大学総合研究所」や、松下幸之助が設立した「PHP研究所」のビジネスコーチ養成講座などが有名です。

エグゼクティブコーチングに関わる資格

エグゼクティブコーチングは、企業の経営者層やシニアリーダーを対象としたコーチングです。

目的としては、社内のトップとして必要な以下の能力の向上が挙げられます。

  • 企業の取りまとめ役としてのリーダーシップ能力の向上
  • 部下の育成力の強化
  • 組織のパフォーマンスを引き出すための構成・改善力の向上
  • ダイバーシティ、ワーク・ライフ・バランスへの対応
  • 社内における社員のパフォーマンスの管理力の向上

企業を牽引する人間の成長という非常に重要なコーチングに該当し、「ビジネスコーチ(株)」や「コーチ・エィ」などが養成講座を実施しています。

キャリアコーチングに関わる資格

現代は、働くことに対する価値観が以前にも増して変化してきており、「就社」の意識も以前より薄れ、転職を行うことが当たり前になりつつあります。

キャリアコーチングは、「あらゆる働く人」や、現在働いていないものの就職を希望する「求職者」を対象としています。

働く人たちは、自ら仕事を通した人生設計「職業生活設計」を行うことを求められますが、キャリアの設計・発達の支援を行うのがキャリアコーチングです。

その目的は、国家資格のキャリアコンサルタントと近く、働く人たちの強みや興味・関心といったものを特定してキャリアビジョンの明確化や目標設定の手助けをします。

個人が仕事を通して達成したい目的を見出し、会社に適合したキャリアパスを描けるように支援を行うのです。

コーチングの資格としては、人材紹介会社の「ランスタッド」が実施するキャリアコーチ認定資格などがあります。国家資格キャリアコンサルタントを保有している人にもお勧めの資格です。

リーダーシップコーチングに関わる資格

エグゼクティブ層以外で、リーダーシップスキルの向上を目標とした人に適したコーチングです。リーダー層に対して以下のような支援を行います。

  • リーダーとしてのあり方とは? その定義と性質
  • その人のリーダーシップの強みと改善すべき点の特定
  • リーダーとしての自分の将来像の描き方
  • 組織の問題に対するソフトアプローチスキルの磨き方
  • 組織を牽引して達成したい目標の設定

エグゼクティブコーチングと一緒に取り扱っている団体もあり、「日経ビジネススクール」などで養成講座が行われています。

コミュニケーションスキルコーチングに関わる資格

人と人とのコミュニケーションに関わる支援を行うコーチングになります。

企業の離職原因の上位には常に人間関係のトラブルがあるように、人間関係に関しては会社内外に関わらず多くの人が問題を抱えやすいのです。

コミュニケーションスキルコーチングは、その対象によって様々な種類のコーチングがあります。

  • 母と子の関係性:マザーズコーチング
  • 親と子の関係性:キッズコーチング
  • 人間の自我・気質の理解:エニアグラムコーチング
  • 対人メンタルサポート:NLPコーチング

資格の種類はもちろん団体も数多くあるため、資格を選ぶ際に最も迷うコーチング資格でもあります。

コーチングを学ぶ方法とは?

コーチングを学ぶためには、コーチング資格を付与するスクールで講義を受けることが最も近道です。

コーチング資格の取得の流れは各団体によって違いますが、基本的には以下のような講義を受ける必要があります。講座修了で資格が付与されることもあれば、認定試験の合格が必要となる場合もあります。

座学

各コーチングの特徴や、必要とされるスキルなどについての講義を座学で学びます。

座学のみでは、頭に入って理解したつもりでも実践ができません。そのため、以下の2つのワークを通して理解を深めることになります。

グループワーク

講座の中では、座学だけでなく理解を深めるためのグループワークが行われる場合がほとんどです。

それぞれのコーチング資格に沿った内容で、ケーススタディの考察や課題に対する解答をグループ内で議論して発表することもあります。団体によっては、ゲームを行う場合もあります。

ロールプレイング

コーチングは相手あってのもの。必ず1対1のロールプレイングによって、学んできたコーチングスキルを実践練習する場が必要となります。

コーチングスキルとして重要な「聴く(傾聴)」「質問する」という2つのスキルを、自分がコーチとなって模擬訓練を行います。

団体によっては、このロールプレイングが修了試験になる場合もあります。

自分がコーチングを学ぶ目的を明確にする

前述の通り、コーチングには様々な種類があります。したがって、「あなたがコーチングをどう活かしたいか?」を明確にすることが、コーチングを学ぶ上でも重要となります。

  • グループリーダーとしてリーダーシップに生かしたいのか?
  • キャリアコンサルタントのように個人のキャリア設計支援をしたいのか?
  • 親子関係の問題を抱えており、関係を良い方向に持っていきたいのか?
  • 会社を成長させるなど、ビジネスの直接的な成長に活用したいのか?

コーチングスクールの費用は数万円〜数十万円掛かるものまで様々です。せっかくお金を払って学ぶからには、「何に活かすのか?」を明確にした上でスタートすることをお勧めします。

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学んだことをどう仕事に活かせばいい?

コーチングについて学んだからには、仕事にすぐにでも活かしたいと考える人が多いでしょう。ただ、コーチングを生かしたいからといって、コーチとして誰かを支援する事だけを考える必要はありません。

コーチングは自身の内省にも活用することができます。自らに対して達成したい目標などを問いかけて、自己実現のための行動計画を立てて実行するということにも役立ちます。

また、対人支援を行う場合にも、コーチングの資格を取得してすぐに完璧にコーチできるわけではありません。まずは、短期的で重要度が低い課題から支援の経験を積むようにしましょう。

コーチングは、相手に「自発的行動」をしてもらうための関わり方です。ついつい解決志向的な関わりになってアドバイスをしたくなるかもしれませんが、それでは自己実現を妨げることになりかねません。

まずは相手の話を「聴く」ことに集中し、「質問」を通して相手から語ってもらう事を意識しましょう。

まとめ

コーチングについて説明してきましたが、いかがだったでしょうか?

コーチングについての要点は以下の通りです。

  • コーチングは相手の自発的行動を促すコミュニケーション技法
  • コーチングには「聴く」「質問する」といったスキルが必要
  • コーチングの資格は多種多様で、自分が学びたい分野を選択する必要がある
  • コーチングを学ぶためには養成講座を受けることが近道
  • 学んだことを活かすためにも自分が何のためにコーチングを学んだかが重要

コーチングは働き方などの価値観が変化している現代では、重要なコミュニケーション技法と捉えられています。

職場はもちろん、プライベートで目標達成や人との円滑な関わりを目指するためにも、コーチングを学んでみてはいかがでしょうか?

最終更新日:2019年12月4日