中小企業診断士になるには?資格・試験・勉強法まで一挙に解説!

中小企業診断士の取得に興味のあるビジネスパーソンは多く、色々な資格のランキングで取得したい資格の上位に名を連ねています。

中小企業診断士は、主に中小企業を対象とした経営コンサルティングにより、経営課題を解決する専門家です。

経営コンサルティング業務自体は、中小企業診断士ではなくても行うことは出来ますし、実際に資格がなくとも経営コンサルティングを行っている個人や法人もたくさんあります。

特に中小企業支援法に基づき、国が一定のレベル以上の能力を持った者を試験等により認定し、登録するための制度です。

また、この資格はいわゆる経営コンサルタントを認定する唯一の国家資格でもあるとも言われています。

ここでは資格取得のためのルートや試験の内容、勉強法について一挙に解説したいと思います。

中小企業診断士になるには、どんなルートがある?

中小企業診断士になるには2通りのルートがあります。

  • 中小企業診断協会が実施する1次試験、2次試験を受験して合格し、実務補習等(15日間以上)を経て登録
  • 同じく協会が実施する1次試験を合格後、「養成課程」または「登録養成課程」を修了して、登録

の2つです。

試験内容については後で詳しく解説しますが、この診断士試験は1次試験と2次試験で構成されています。

1次試験の合格後には、国に登録された機関や大学が実施している「登録養成課程」を修了することで診断士資格を取得することが出来ます。

試験のみで資格を取得する場合

例年診断士の1次試験は8月上旬の土日に、2次試験は筆記試験と口述試験で実施され、筆記は10月中旬、口述試験は12月の中旬に実施されています。

1次試験は企業経営や会計等に関する7科目で構成され、3年以内に7科目を合格できれば1次試験を突破することが出来ます。

2次試験の筆記は4科目となり、1次試験の合格年度とその翌年度まで受験が可能です。

いずれも難易度は高く、もちろん受験生のそれぞれの元々の知識の保有量や経験にもよりますが、1年でストレート合格することは容易ではありません。

また税理士試験などと同様ですが、働きながら受験される方が多いので、試験や勉強にどの程度の時間が割けるかにもよって状況は異なります。

1次試験を1年~2年で突破、2次試験は2年以内に試験合格というのが目安となるでしょう。

試験合格後は中小企業診断協会が実施する実務補習等を15日間以上(5日間×3回)受講し、中小企業庁へ登録申請を行って正式に診断士に登録されることになります。

実務補習以外には、普段から中小企業へのコンサルティングを行っている方はその業務内容と日数で登録申請が可能です。

また、自分で診断先を見つけて実習とすることも可能ですが、普段からコンサル業務を行っている方以外は協会の実務補習を受けることが多いです。

試験合格後のこの実務補習もかなりハードなスケジュールと熱量で企業への診断実習を行うことになります。

不合格になるようなものではありませんが、診断士として基本的な診断報告書を書くための重要な研修となります。

試験を潜り抜けたメンバーと議論し、実習先企業のために知恵を絞る経験は非常に思い出深いものになります。

後ほど詳細に解説しますが、登録養成課程は企業からの派遣者やある程度の時間的、金銭的な余裕がある方が選択肢として検討できるものであり、コストだけを考えると試験のみでの取得が優位になるでしょう。

合格後に中小企業診断士の資格のスクールなどで講師として活躍したい場合は、試験のみでの突破が望ましいかもしれません。

養成課程を修了する場合

令和元年度時点で、養成課程を設置している機関は以下になります。

厳密には、独立行政法人中小企業基盤整備機構が設置している中小企業大学校の「養成課程」とそれ以外の「登録養成課程」を持つ機関に分けられます。

(養成課程)

  • 独立行政法人中小企業基盤整備機構中小企業大学校東京校

https://www.smrj.go.jp/institute/tokyo/training/supporter/smeconsultant/index.html

(登録養成課程)

  • 法政大学

http://www.im.i.hosei.ac.jp/

  • 公益財団法人日本生産性本部

http://consul.jpc-net.jp/mc/kouza/shindanshi/index.html

  • 株式会社日本マンパワー

https://www.nipponmanpower.co.jp/ps/choose/smemc_rtc/ 

  • 栗本学園(名古屋商科大学)

http://mba.nucba.ac.jp/

  • 一般社団法人中部産業連盟

https://www.chusanren.or.jp/consultraining/

  • 東洋大学

https://www.toyo.ac.jp/ja-JP/academics/gs/mba/finance/

  • 千葉学園(千葉商科大学)

https://www.cuc.ac.jp/dpt_grad_sch/graduate_sch/master_prog/smec/index.html

  • 兵庫県立大学

http://www.u-hyogo.ac.jp/mba/

  • 城西大学

http://www.jiu.ac.jp/graduate/detail/id=919

  • 一般社団法人福岡県中小企業診断士協会

https://smec-yousei.jp/

  • 札幌商工会議所

https://shindanshi-yousei.jp/

  • 日本工業大学

https://mot.nit.ac.jp/katei/

  • 大阪経済大学

http://www.osaka-ue.ac.jp/life/chushoukigyoushindanshi/

色々な機関や地方で設置されており、全日制半年の課程、平日夜間や土日を中心とした1年の課程、MBAも同時に取得が可能な2年制の大学院など、様々な選択肢があります。

ただし、いずれも国が定める養成課程のガイドラインを遵守することが求められており、講義時間や中小企業での実習の回数はきっちり決められています。

出席率についてもかなり厳しい要件となっており、業務が多忙な場合はカリキュラムの消化自体がかなり厳しくなります。

また、大学院などの比較的長期の課程を除いては、かなりハードなスケジュールをこなすことになります。

講師は現役のコンサルタントなど実務家を中心となった実践的かつ厳しい研修内容で、受講料も200万円程度からそれ以上になることがほとんどです。

半端な内容や金額ではありません。時間と金銭的な余裕がある場合は、登録養成課程が選択肢として検討できます。

また、登録養成課程は金融機関の社員や公的機関などの職員が派遣される場合も多いです。

余談ですが、東京都東大和市にある中小企業大学校では受講生向けのカウンセリングも行われています(養成課程受講生だけのサービスではありませんが)。

複数回行われる実習では診断報告書などの作成に向けて、相当の熱量で議論し、肉体的にも精神的にも追い込まれることが多々あります。

この養成課程で鍛えられる体系的な知識や診断能力、また、受講生同士の人脈は、試験だけでは得られない大きな価値があります。

中小企業大学校以外の登録養成課程でもそれは同じです。

コンサルタントとしての能力を身に着けるために、2次試験を突破したけれども、あえて登録養成課程を受講する猛者も存在するようです。

登録養成課程の様子は各機関のホームページなどで情報を発信している場合が多いので、受講を検討される方はそれぞれの雰囲気をチェックしてみるのが良いでしょう。

中小企業診断士になるための、最短ルートとは?

1年で1次試験から2次試験まで完結する試験なので、試験合格までの最短ルートということであれば、1年で合格することももちろん可能です。

実際にそのような方もいらっしゃいますが、普段の生活の中から勉強時間をかなり効率よく生み出し、事前の知識もある程度必要でしょう。

一般的には1,000時間から1,500時間程度の勉強時間が必要とも言われており、通常の社会人であればかなり厳しいと思われます。

市販の参考書を活用し全て独学で勉強される方もいらっしゃいますが、スクールなどをうまく活用することによって、出来るだけ短い期間で合格を目指す、というのが現実的でしょう。

また、試験合格後には主に中小企業診断協会が実施する実務補習を15日間以上(5日間×3回)受講することになります。

こちらも企業を訪問してのコンサルティング実習であり、短い期間での相当な熱量での議論や診断報告書の作成が求められます。

最短ということはありませんが、「確実に」資格を取得することを重視する場合は、登録養成課程を修了するのが最も確実なルートです。

ただし、前述のように内容的には非常に厳しいものであり、相応の覚悟を持って養成課程に入らなければなりません。

中小企業診断士の資格試験について

中小企業診断士試験は、1次試験は筆記試験(マークシート方式)、二次試験は筆記試験(記述式)及び口述試験で構成されています。

令和元年度の合格率は1次試験が30.2%、二次試験(筆記試験まで)が18.3%でした。これらを単純に乗じた最終合格率は約5.5%になります。

令和元年度時点の1次試験、二次試験の科目は以下のとおりとなっています。

(1次試験)

経済学・経済政策、財務・会計、企業経営理論、運営管理、経営法務、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策

(二次試験・筆記)

組織(人事を含む)、マーケティング・流通、生産・技術、財務・会計

1次試験では、中小企業の経営診断に必要とされる基礎的な知識があるかどうか、二次試験では知識を具体的な診断事例に応用し、論理的に解決策を記述できるかが問われる試験です。

最後に行われる口述試験は、余程のことが無ければ不合格にはなりませんが、1次試験では、経済や企業経営に関する広範囲の知識や国が実施している中小企業振興施策の理解が求められます。

科目合格も可能であり、3年以内にこの7科目を合格すれば合格となります。

このため、仕事をしながら、2年や3年のプランで突破することもできます。

ビジネスでの実務経験が豊富な方や経営学や会計を勉強したことがある方であれば、1次試験は独学でも突破は困難ではありません。

ただし、科目が多いため、効率良く知識を整理しておくことが必要でしょう。

二次試験はこの二次試験専門の資格スクールも存在するぐらいで、難易度は高く、1次試験を突破したものの、二次試験がなかなか突破できずに長年診断士試験を受験している方もいらっしゃるようです。

二次試験については、まずは出題形式に慣れることと、独りよがりな回答ではなく、きちんとしたロジックと経営診断に関する常識的な判断能力があることを、明瞭な文章で採点者に伝えられるかどうかがポイントです。

また、財務・会計の科目は簿記や管理会計の知識を身に着け、制限時間内で計算する力が必要です。

中小企業診断士の資格をとるための方法とは?

資格を取得するためには、独学か、資格スクールを活用するか、ということになります。

完全に独学で勉強

1次試験、2次試験のいずれも市販の参考書が科目ごとに出ています。

オーソドックスに教科書を読み、知識を定着させ、過去問に挑む、という順番で1次試験を攻略していくことも不可能ではありません。

2次試験は後程詳しく解説しますが、短時間で問題の読み解いていくテクニックや解答方法などにもそれなりにトレーニングが必要です。

独学でやる場合は、過去問や過去の試験での合格者の再現答案を参考にし、独りよがりの解答になっていないか誰かからチェックを受けたり、資格スクールの模擬試験を活用したりすることも検討するべきでしょう。

資格スクールを活用

「合格パック」のような名称で、1次試験の各科目や2次試験のインプットからアウトプットまでを販売しているスクールは多いです。

効率的な勉強が可能となり、金銭的な余裕があればおすすめです。

ただし、1次試験の全科目すべての講義を聴くのが効率的かどうか、ということもあります。

自身の事前の知識や得意分野なども考慮の上、うまく活用していくことが必要でしょう。

2次試験専門のスクール

2次試験に特化した資格スクールもあります。1次は独学で、2次は専門校で、という受験生もよくいらっしゃいます。

それほどのこの資格は2次試験の難しさがあるということを示しているのですが、2次試験の内容については後程解説します。

中小企業診断士になるための勉強法や勉強しておくべきこととは?

1次試験や2次試験のそれぞれの科目別の大まかな内容や対策についてここでは解説したいと思います。

科目別の細かな中身は診断協会のホームページや様々な受験対策の本等で詳しく解説がされていますので、ここでは割愛します。

1次試験の勉強法(科目別)

1次試験は60分から科目によっては90分で実施され、以下の合格基準が設定されています。

  • (1) 第1次試験の合格基準は、総点数の 60% 以上であって、かつ1科目でも満点の 40% 未満のないことを基準とし、試験委員会が相当と認めた得点比率
  • (2) 科目合格基準は、満点の 60% を基準として、試験委員会が相当と認めた得点比率

各科目100点満点のため、全7科目を受験して700点×60%=420点以上を取り、1科目でも40点未満が無ければ合格となります。

これを満たさなくても(2)の基準で60点以上の科目は科目合格となり、翌年度、翌々年度までは免除申請が可能となります。

この試験制度で注意しないといけないのは、結果的に苦手な科目が残ってしまうことが多いにも関わらず、翌年度に残った科目で(1)の基準を満たさなければならないため、合格した得意科目もあえて免除申請せずに翌年度再受験する等の戦略的な受験対策が必要です。

難易度も年によってバラつきがあるため、得意科目と思っていてもあまり得点が伸ばせず、総点数が(1)の基準を満たせないということも出てきます。この試験制度が診断士試験の難しさの一つでもあります。

経済学・経済政策

ミクロ経済学やマクロ経済学の基本的な理論の理解が必要です。

数学的な知識も必要ですが、高度なものではありません。

グラフに苦手意識を持つ方もいらっしゃいますが、分かりやすい解説をした参考書も多いため、独学で合格レベルに至ることも困難では無いでしょう。

令和元年度の科目合格率は25.8%です。直近4年間は20%以上の合格率で安定していますが、平成25年度には2.1%の厳しい合格率の年もあります。

2次試験には関係が無い科目であるため、基本的な論点は抑えて最低限足切りは避け、あまり時間を割きすぎないこと必要でしょう。

財務・会計

基本的な簿記会計や財務諸表の理解、作成能力に加えて、資金調達、投資判断、利益分析などの管理会計の分野の理解と計算能力が求められます。

全く簿記の知識が無い方は日商簿記検定3級の知識を勉強してから、診断士のテキストを勉強するのが望ましいでしょう。

とにかく時間が無い中で計算をしなければならないため、計算能力とスピードの向上、本番では解ける問題を素早く判断し、得点を取れる問題から取っていくことが大切です。

令和元年度の科目合格率は16.3%です。

平成30年度は7.1%であり、やはり内容によっては非常に難しい年度も出ています。

さらにこの科目は2次試験の事例Ⅳとして登場するため、2次試験を見越してかなり勉強時間を割いておくべきです。

財務・会計に特化した問題集や資格スクールの対策講座もあるため、これらをうまく使い、難問・奇問は除いて、頻出の論点の問題は必ず解けるようにしておくこと、また、難易度の判断も素早く出来るようにしておくのが望ましいです。

企業経営理論

診断士試験らしい中身の科目で、経営戦略、組織論、マーケティングなどの論点を勉強します。

この分野に興味があって診断士試験の勉強を始める方も多いので、あまり苦手とする方はいないと思われます。

用語はもとよりその理論的な背景や経営学の歴史的な発展も面白く勉強が出来ます。

注意しなければならないのは、この科目は問題文の解釈が難しく、判断に迷うような設問も例年出てきます。

また、範囲も広いため、まんべんなく論点を勉強することが必要です。

インプットを効率よく行い、過去問を数多くこなすことで問題文の解釈に慣れ、得点が伸びてくるようになるでしょう。

令和元年度の科目合格率は19.4%ですが、平成30年度は7.1%、平成29年度は9.0%となっています。

2次試験の事例問題でもこれらの勉強した内容に基づいてロジックを構成し、論述しなければなりません。

非常に重要な科目ですが、勉強が面白くなってしまい、時間を割きすぎてもいけません。

他の科目も同じですが、面白く勉強できても得点がそれほど伸びないことや、得意科目で得点を稼げると思っていたのに突然難しい内容の年度に当たってしまうこともあり、注意が必要です。

運営管理

製造業の工場などでの生産管理や小売業での店舗管理の論点を勉強します。

小売業は身近な内容であり、理解しやすい内容が多いでしょう。

生産管理は実際に製造業で生産に携わった方は馴染みやすい内容も出てきます。

企業経営理論と同じくボリュームが大きい科目であり、効率良くインプットを進めていく必要があります。

令和元年度の科目合格率は22.8%でした。直近2年は20%以上の合格率で安定していますが、平成29年度には3.1%となっています。

2次試験では事例ⅡとⅢで登場する重要な科目であり、用語の暗記だけでなくロジックを理解して2次試験で論述が出来るようにすることが必要です。

また、試験合格後の実務補習では小売業や製造業に入ることもあるため、勉強した内容が実務に直結してきます。

経営法務

会社法や知的財産権に関する法律、民法、その他の資本市場に関する法律が出題されます。

総務部門での株主総会の運営や法務、知的財産関連の業務に携わっていれば非常に馴染みやすい内容です。

全てをきっちり理解しようとするのはあまり得策ではありません。

2次試験には関連しない科目であるため、会社法と知的財産権に関する法律を中心に頻出論点を勉強し、1次試験だけと割り切って足切りを避けるのが望ましいでしょう。

令和元年度の科目合格率は10.1%でしたが、それ以前の3年間はいずれも一桁台の合格率となっています。

60点以上を取るのはなかなか難しい科目であり、余程得意でなければ他の科目でカバーすることを計算する方が多いと思われます。

また、深入りすればキリがない科目でもあり、過去問にも取り組みつつ、どの程度の勉強時間を使うのか戦略を練るべきです。

経営情報システム

企業で活用されている情報処理関連技術やデータベース、ネットワーク技術の内容を理解する必要があります。

他の科目とはやや異なり、かなり技術的な内容です。IT関連の技術者あるいは企業内SEなどの方であれば非常に容易な科目となるでしょう。

それ以外の職種の方であれば初めて学ぶ内容が多く、ややとっつきにくい科目になることが多いです。

経済学・経済政策や経営法務と同様に1次試験だけの科目ですが、この科目は暗記していれば解ける設問も多いため、苦手意識をあまり持たなければ得点を伸ばせる余地はあります。

令和元年度の科目合格率は26.6%と高く、直近4年間は20%を切った年はありません。

難しい年度ももちろんありますが、経営法務などよりは効率的に勉強が出来る科目です。

中小企業経営・中小企業政策

中小企業庁が発行している前年度の「中小企業白書」や「中小企業施策利用ガイドブック」の内容を理解(暗記)する必要があります。

白書に書かれている中小企業の経営を取り巻く現状から、やや無味乾燥な統計資料の内容、中小企業向けの施策の内容に関する問題など、暗記をしていれば対応できる問題になりますが、独学で全て暗記するのは非常に効率が悪いです。

1次試験の他の科目は独学で勉強される方でも、この科目は資格スクールの単科講座などを利用し、試験で問われそうな内容を厳選して暗記を進めた方が効率良く勉強出来るでしょう。

令和元年度の科目合格率は5.6%でした。とはいえ、直近は安定的に2桁の合格率が続いていた科目であり、地道に暗記を進めること以外に得点向上の術はありません。

2次試験の勉強法

2次試験は事例Ⅰ~Ⅳが出題されます。

それぞれ「与件文」と言われる具体的な中小企業の事例が2ページから3ページ相当の長文で与えられ、それぞれについて6~8問程度の設問があり、20字~200字前後で解答します。

試験時間はそれぞれ80分で、とにかく時間との勝負です。この筆記試験に合格すると、口述試験を受験することができます。

資格スクールごとに、様々な攻略法や考え方の整理の仕方が教えられています。

合格者の再現答案を集めた本も出ており、独学での対応も不可能ではありませんが、短い時間の中で簡潔で分かりやすい文章を書くトレーニングが必要です。

独りよがりで自分にしか分からない文章を書いていないか、解答全体の論理が破綻していないかを誰かにチェックしてもらい、フィードバックを受けることが合格への近道でしょう。

また、この2次試験の難しさは、模範解答が示されないことにあります。

このため、計算問題が主な内容である事例Ⅳを除いて、各資格スクールでも解答例にバラつきが生じたりしていますし、合格者の再現答案も内容がバラついていることが良くあります。

資格試験である以上は採点基準が必ず設けられているはずであり、解答の方向性については複数のパターンが許容され、キーフレーズなどで採点されているのではとも言われています。

事例Ⅰ「組織・人事の事例」

事例Ⅰでは組織や人事面の課題を解決する中小企業の与件文が与えられ、1次試験の企業経営理論で勉強した組織論や人事関連の知識を応用する力が求められます。

他の事例でもそうですが、与件文をよく読み、どういう課題があることが想定されているかをまずは解読し、それに沿った組織・人事の解決策の提案をしましょう。

事例Ⅰは課題が掴みづらいとも言われます。与件文は懇切丁寧に企業の情報を教えてくれる訳ではありません。

与件文の中に散りばめられた情報を整理し、出題者の意図を掴みとることが必要です。そこが難しい点でもあります。

事例Ⅱ「マーケティング・流通の事例」

事例Ⅱではマーケティングや流通の課題を解決する中小企業の与件文が与えられ、1次試験の企業経営理論や運営管理の知識を応用する力が求められます。

事例Ⅰと比較すれば、まだ分かりやすい内容が提示されますが、マーケティングの施策として事例の企業からかけ離れた方策を自由に発想して解答してしまうと、出題者の意図から外れていってしまうということがあります。

他の事例でも同様ですが、与件文をよく読み、解決策の根拠となる材料を探すことが必要です。

事例Ⅲ「生産・技術の事例」

事例Ⅲは製造業での生産や技術の課題を解決する中小企業の与件文が与えられ、1次試験の運営管理の知識を応用する力が求められます。

例えば、納期の管理を効率化させるためにどういった情報を集めれば良いのか、生産工程のどこをどのように改善すれば良いのか等の設問が設定されます。

与件文に散りばめられた情報を整理し、運営管理で勉強したキーフレーズを解答にふんだんに落とし込むことが必要です。

事例Ⅳ「財務・会計の事例」

事例Ⅳは財務面での課題を解決する中小企業の与件文が与えられ、1次試験の財務・会計の知識を応用する力が求められます。

内容は計算問題がほとんどです。他の事例でも時間は限られていますが、この事例Ⅳは特にタイムマネジメントと解答しやすい問題を冷静に判断し、部分点でもいいので得点をもぎ取っていく、という姿勢が必要です。

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まとめ

今回は中小企業診断士の資格取得のためのルートや試験の内容、勉強法について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

試験でのルート、養成課程でのルートのいずれも簡単なものではありません。

いずれにしてもこの資格取得の勉強をすることによって経営コンサルタントとしての素養は磨かれ、クライアントである中小企業の期待に応えることが出来るでしょう。

「2019年度版中小企業白書」によれば、日本の企業全体に占める中小企業の割合は約99%であり、様々な業種で中小企業が日本経済を支えていると言えます。

しかし、ヒト、モノ、カネと言われる経営資源の要素を豊富に持った中小企業は多くありません。

その一方で、経済はグローバル化し、消費税は増税、全国的にはこれまで想定されない規模の災害の発生が相次ぐなど、様々な困難に少ない経営資源で立ち向かわなければならない中小企業の経営者の悩みは尽きません。

クライアントの中小企業の現状を把握し、悩める経営者に適時適切なアドバイスを行い、企業の成長を支援し、ひいては日本経済の発展に貢献することが中小企業診断士に期待される役割であり使命です。

最終更新日:2020年1月28日